新年最初のおすすめ本として特に「乱世の遺訓」をご紹介したのは、33名の戦国武将の列伝として編まれた本書は、タイトルを裏切るような、非常に面白い読物だからです。1982年、西日本新聞に一年間連載したものをまとめたものですが、33編の短編時代小説集といった趣です。何時の時代でも戦争、戦というものは、血を流す悲惨なものではありますが、国と国、人と人との関係を凝縮して浮上させる場でもあります。時に剛毅に時に哀切に、戦国の世を生きた武将たちの姿が簡潔に描き出されています。「遺訓」という何やら説教くさいタイトルが災いしたのか、版を重ねる吉永さんの著書の中では珍しく初版初刷りのままです。
読まれずに倉庫に眠らせておくのは惜しい!!!。画像は一番下。(05/1/3)
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