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<炭坑の本フェア>
筑豊と熊本
九州の地力
山本作兵衛
日本から炭鉱が消えた!! 2001年暮れの長崎県・池島炭鉱の閉山に続き、02年1月の北海道・太平洋炭鉱の閉山で、ついに日本から炭鉱が消えてしまいました。石炭産業は戦前から1960年代の高度成長期の入口頃まで工業生産の基幹を支えてきましたが、海外炭との価格差は広がるばかりで、ついに国も支援を打ち切ってしまったのです。
小社は筑豊炭田・三池炭鉱(福岡県)や北松炭田(長崎県)など九州の炭鉱の生活と労働を描いた画文集、写真集、ノンフィクションなどを数多く出版してきましたが、日本の炭鉱消滅に合わせ、今回ネット上で「炭鉱の本フェア」を開きます。
貴重な記録として、あるいは懐旧のよすがとして、この機会にお求めになることをお勧めします。
★筑豊炭田★
山本作兵衛 画文
筑豊炭坑繪巻 一押しは何といっても山本作兵衛さんの画文集『筑豊炭坑絵巻』です。作兵衛さんが希有の記憶力で明治・大正・昭和の地底の労働やヤマの暮らしを描き続けた画集は、その資料価値とともに絵画としての価値も見直されつつあります。
作兵衛さんは生前「私の絵にはひとつだけ嘘がある」と言っていました。それは「地底には光がないので色がない」ということでした。だから初期の作兵衛さんは筆と墨だけで描いてきました。後年になってその地底の光景に作兵衛さんは光を与え、極彩色で描くようになったのです。
カラー22点・モノクロ163点収録
B5判上製函入・318頁・5000円+税(在庫切れ)
山本作兵衛 画文
筑豊炭坑絵物語 『繪巻』の姉妹編。作兵衛さんは自分の絵の中に解説文を細かな字でびっしりと書いています。『物語』は227点の炭坑画を坑内労働、坑外労働、生活などに分類し、画中に書き込まれていたその文章を起こして詳細な注をつけて読みやすくしたものです。
初期墨絵209点・彩色画18点収録
A5判上製・296頁・3200円+税(在庫切れ)
山本作兵衛追悼録 オロシ底から吹いてくる風は 本書は昭和59年12月に永眠した作兵衛さんを悼む関係者の追悼文や山本作兵衛論、作兵衛画論などを集成したものです。
[寄稿者]石牟礼道子/上野英信/金子光晴/
菊畑茂久馬/宮本常一/森崎和江/穴井太/
色川大吉/川原一之/紀田順一郎/武田英子/
中西和久/野見山暁治/林えいだい/
針生一郎/前川雅夫/松永伍一ほかB5判並製・180頁・2200円+税(在庫切れ)
在りし日の作兵衛翁
上野英信・趙根在監修
写真万葉録・筑豊(全10巻) 近代日本の火床〈筑豊〉。そこでくりひろげられた一世紀にわたる人間の営みを万葉集 に擬して後世に伝える全10巻写真記録。戦前・戦後、国内・国外、プロ・アマを問わぬ7万点をこえる収集写真をもとに〈筑豊〉の全像をあぶり出す画期的試み。
1 人間の山
2 大いなる火(上)
3 大いなる火(下)
4 カンテラ坂
5 約束の楽土〈ブラジル篇〉
6 約束の楽土〈パラグアイ・アル
ゼンチン・ボリビア篇〉
7 六月一日 8 地ぞこの子
9 アリラン峠 10 黒十字
B6判上製・平均176頁・各1800円+税
「写真万葉録・筑豊」より
うたがき炭鉱記 伊藤時雨 四六判上製・251頁・2400円+税
筑豊で明治末から40年にわたり炭鉱夫を続けた著者が、この間に収集した炭鉱の仕事歌165編を集成。歌の数々を通じてヤマの暮らし、風俗、労働をあますところなく描いた炭鉱歌の顕彰碑。「八木山峠は 十文字峠 どっち越えても ヤマに着く ゴットン」
匪賊の笛 森崎和江 四六判上製・272頁・1600円+税
民衆の具体の内に未見の世界を視ようとする著者が、みずからを現世の匪賊としつつ、筑豊の坑底からアジアへ拡がる不可視の坑道を辿りゆく――。膨大な時空をもつアジア民衆史序章としての評論30篇。
★三池炭鉱★
中川雅子
見知らぬわが町
1995真夏の廃坑 この原稿を最初に目にした時にはえも知れぬ感動を覚えたものです。大牟田市に住むひとりの女子高校生は、ある夏のこと、街のあちこちにある不思議な形をした建造物に魅かれます。それは廃坑のヤグラでした。次々に「?」を感じた彼女は、図書館に通い、関係者の大人に会ってひとつひとつ確かめていきます。そうして自分の住む街は今でも「死体の埋まっている街」だと気づきます。明治の囚人労働、与論島からの移民への差別、朝鮮人強制労働……ひとつひとつ彼女は街の歴史時間を遡っていくのです。(絶版)
A5判並製・112頁・1000円+税
「見知らぬわが町」より
三池閉山 毎日新聞西部本社編 四六判並製・204頁・1500円+税
労組の胎動、争議、炭じん爆発――、歴史になった三池を当事者21人の「聞き語り」によって立体構成。ヤマへの想いのたけを語る。
ヤマは消えても
三池CO中毒患者の記録 木村英昭〔写真・文〕三村孝一解説 B5判並製・129頁・3000円+税
死者458人を出した三池の炭塵爆発から34年。CO中毒後遺症に苦しむ患者たちは、三池閉山とともに労災補償の打ち切りで再び切り棄てられた。CO中毒検診医師団代表と写真記者との共同作業によって、患者と家族の苦闘の日々を映し出す。(在庫切れ)
★長崎県★
柿田清英写真集
崩れゆく記憶
端島炭坑閉山18年目の記録 石炭採掘最盛期には5000人もの人が住んでいたという炭坑の島。俗に軍艦島と呼ばれた長崎県・端島は、明治・大正・昭和と黒ダイヤを掘り続けて日本の経済を支えてきたが、昭和49年閉山。今では無人島となり廃墟と化したこの人工島の姿を記録する。
B5判並製・159頁・4369円+税
「崩れゆく記憶」より
前川雅夫編
炭 坑 誌
長崎県石炭史年表 人間と石炭の一世紀――長崎県石炭史の勃興期から終末までを膨大な記録によって辿りながら、石炭産業が日本の近代化に果たした意味、あるいは地底労働がもたらした人類史的意味を総体として明らかにする。
A5判上製函入・798頁・10,000円+税 ※内容見本有
高島炭坑(明治末頃)
(画像が復活しました。08/2/1 画像が消えたままですが、07/6/30 の事務所移転時に発生しました次のような事情により、パソコンおよび関連機器使用不可状態が続いておりますので、すぐには回復できません。ご了承ください。08/1/12 久本福子)
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