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葦の葉通信 37号 2017/11/13 |
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久本福子Yoshiko Hisamoto 『貨幣の謎とパラドックスー柄谷行人論・原理論編』出版
2017/12/1 上野英信展への手紙 2017/11/24 → 11/27 11/14追記↓ 1 選挙雑感
総選挙が終わって3週間。選挙前には、安倍自民党が余り勝ちすぎても困りますので、選挙で問うべき問題点はやんわりと提示しましたが、これらの問題点については、今後、折りを見て取り上げていきたいと思います。本号では、選挙とは無関係の、先日、世界記憶遺産に登録された朝鮮通信使について異議申し立てをしたいのですが、その前に、政局絡みで一言発言させていただきます。 特別国会が招集され、野党の強い要望を受け、国会は39日という長期の日程で開かれることになりましたが、実際には総理の外遊後の17日に所信表明演説があり、審議日程はかなり短くなるという。39日は見かけの数字にすぎないということになりますが、仮に39日丸々審議しても、相も変わらぬ「モリカケ」問答の繰り返しでは全く意味がありません。自民党が圧勝したのは野党の大混乱による敵失効果も大きかったとはいえ、野党とマスコミが安倍政権に対する最大の攻撃材料にしてきた「モリカケ」問題には、有権者は同調していないことを示したものだと解釈すべきです。 「モリカケ」で問題にすべきは、その実質について事実を極めることではないですか。加計学園問題では、加戸前愛媛県知事の国会での証言(参考:加戸守行前愛媛県知事インタビュー「四国4県ともとにかく獣医がほしいんだ!」「さすが民主党と思っていたら…こん畜生!」)、四国4県全知事も連名で四国への獣医学部の開設を要望していたなど、地域の長年にわたる獣医学部開設要望を無視し、拒否しつづける日本獣医師会、文科省、農水省などの対応が適切なのかどうかをこそ論議すべきです。加計学園問題発生後、愛媛県獣医師会では、本部の日本獣医師会に上納する会費の不払い者が激増しているという。
さらに驚くべき事実も判明しています。加計学園問題を最初に報道した(スクープした)NHKと朝日新聞は、報道の基になった文科省文書に、疑惑を捏造する細工をしていたという。この捏造工作は、文芸評論家の小川榮太カ氏が『徹底検証森友・加計事件―朝日新聞、戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社刊)の中で明らかにされたものだそうですが、わたしは「Hanada」11月号に掲載されているその要約でこの驚愕すべき犯罪の事実を知りました。 加計学園への認可は「総理の意向」を忖度したものであるという、疑惑の証拠となったこの問題の文書には、実は「国家戦略特区諮問会議決定」という形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか」と書かれていたという。つまりこの文書は、官僚によって捏造されたものであったということです。NHKも朝日もこの事実をカモフラージュするような細工を施して報道したという。恐ろしい!!! 詳細は本書でどうぞ。小川榮太カ氏twitter 国会では、官僚の言い分の代弁者のような質問はするな!と言いたい。官僚の支配から脱した、事実に基づく審議ができなければ、国会議員は官僚の操り人形でしかないことを国民の前に晒すだけでしょう。 森友問題でも、籠池氏は、不良土地をつかまされたとして、近畿財務局の官僚を提訴すると脅していたことを自ら語っていましたので、官僚が保身から極端な値引きをした可能性は高い。あの迫力で、裁判で損害賠償を請求するぞと籠池氏から脅されたならば、官僚ならずともびびってしまいますよ。しかも値引き後の値段も、小川氏によれば、他の類似例からするならば、むしろ高いぐらいだという。 与野党の国会議員は、小川氏の著書を熟読した上で、実のある「モリカケ」論議をすすめ、国民のため、地域のためになるような政策論議を展開していただきたい。 国会審議における与野党の時間配分についても一言。基本は野党に多く与えるべきでしょうが、国会審議は質問された内容に答えるという形でしか総理や大臣は発言できない仕組みですので、野党から「モリカケ」以外の質問が出なければ、それ以外の政策論議ができず、国民の怒りを買うことになります。与党からの質問がこの欠陥を補うことになるはずですが、内輪褒めのような質問しか出来なければ、こちらもまた国民の反発、怒りを買うだけでしょう。 2 オランダ宿 さて、いよいよ本題に入ります。先日、日韓の民間団体が登録申請していたという朝鮮通信使が、世界記憶遺産に登録されました。民間団体が申請したものに、日本をはじめ加盟各国の国税によって運営されている国連の機関であるユネスコが、世界的権威付けを与えることが許されるのかという、根本的な疑問を感じます。われわれ日本国民は、朝鮮通信使の世界記憶遺産登録には全く関与も賛成もしておりません。日本の歴史にとっては、朝鮮通信使は世界記憶遺産に登録するほどの価値のあるものではないからです。 江戸時代は鎖国下にあったにもかかわらず、海外の文物が数多く移入されて、当時の世界最先端である西洋文明の恩恵に浴しつつ、日本独自の文化を構築し、様々な分野での技術革新を進めてきたのは紛れもない事実です。しかし、そうした世界最先端の文明は、朝鮮通信使によってもたらされたのではなく、ポルトガル、スペイン、オランダなどの西洋諸国からもたらされたものでした。 西洋文明の日本への移入は、西洋が世界制覇を目指して動き出した、大航海時代の波を受けた16世紀の戦国時代に始まりますが、南蛮貿易の隆盛に伴って南蛮文化も華々しく開花し、日本の社会や文化に大きな影響を与えました。その遺産は数多く、今なお日本に残されています。その後江戸幕府はキリスト教禁教令を出し、西洋人の往来に制限を加えていきますが、3代将軍家光によって鎖国体制が完成、以降はオランダ、中国以外の外国船の日本への来航は禁止されました。しかし鎖国完成後も、中国の文物はもとより、西洋の文化、文明もオランダを経由して継続的に日本に移入されてきたことは、周知の事実です。 しかしオランダを通じて西洋の文物が移入するその具体的なルートはほとんど知られていないように思われます。中高までの教科書にも記載されていませんが、出島にあるオランダ商館の商館長(カピタン)は、毎年江戸に参府し、将軍に挨拶するのが慣例となっていました。その際、西洋の文物が、将軍をはじめ幕府の重臣や大名たちにも献上されました。これらの献上品は、オランダが西洋で唯一貿易が許可されていることへの、お礼として献上されたものでした。西洋にとっては、日本がいかに有望な貿易相手国であったかを物語っています。 カピタンの江戸参府は、慶長14年(1609年)から開国までに166回行われていますが、1790年以降は、幕府は外国船の来航が激しくなったことから西洋への警戒感を強めたからか、あるいは財政悪化からか、貿易を半減させたことにより、カピタンの参府は4年に1回へと変更されました。しかし、カピタンの江戸参府が4年に一度になったものの、その空白時にはカピタン直参時の規模ではないものの、通詞が代理で西洋の文物を献上するために毎年江戸参府を行っていますので、オランダ商館による江戸参府は開国まで毎年続けられたと言っても間違いではないはずです。 とすると、通詞の代理参府も含めると166回どころか、200回を越えそうです。つまり江戸幕府は厳しいキリスト教弾圧を強行し、鎖国策を実施しましたが、開府以来、開国まで、毎年、オランダを通じて西洋の文物を受け入れてきたということです。この事実は、江戸幕府は強国揃いの西洋諸国には強い警戒感を抱きながらも、西洋の文明、文化の先進性を深く理解し、その摂取の必要性を強く認識していたことを証明しています。 幕府による西洋重視策は、カピタン一行の江戸参府までのサポート体制にも表れています。毎年参府するカピタン一行は、基本は本陣を宿として使っていたという。本陣は、大名たちが参勤交代などで使う、当時の最高級の宿ですので、これらオランダ人使節に対する幕府の扱いがいかに破格のものであったかが分かります。 のみならず、小倉、下関、大坂、京都、江戸には、カピタン一行専用の常設の宿、阿蘭陀(オランダ)宿まで設置されていました。このオランダ宿は、日本人がオランダ人から西洋の先進文明、文化を学ぶ学校のような施設として設けられたもので、幕府はこれらの宿で、日本人がオランダ人から直接、教えを受けることを許可していました。常設の宿にしたゆえんですが、当然のことながら、カピタン一行は、オランダ宿では、本陣での宿泊よりも長期の滞在が許可されていました。常設宿として維持するための費用も、幕府から下賜されていましたが、オランダ宿の存在は、幕府が、オランダを通じて西洋の先進文明、文化を摂取することをいか重視していたかを証明しています。 わたしはオランダ宿の存在を数ヶ月前に知ったばかりですが、西日本新聞の文化欄に掲載されていた、普段は忙しくてほとんどスルーするような、ベタ組の小さな小さな展覧会の案内記事が偶々目に入ったのがきかっけです。小倉にあったオランダ宿の関連資料の展示案内でした。朝鮮通信使関連には惜しげもなく紙面を使い続けてきた西日本新聞ですが、オランダ宿関連記事はこれ以外には皆無です。 江戸時代にこれらのオランダの使節を通じて日本にもたらされた西洋の書物、洋書は1万8000冊近くにも上りますが、書物以外の西洋の産物も多数現存しています。 科学と技術の歩み 国立科学博物館 には、西洋の影響も受けながら、日本独自に研究開発した様々な分野の学術理論や技術なども含めて、江戸時代の日本の科学水準の高さを証明する数多くの遺産が現物で紹介されています。 は以前にもご紹介しましたが、再度ご紹介します。 江戸時代の数学 西洋数学の導入 国立国会図書館 には、西洋の数学理論は、漢訳されたものが中国から輸入されて、様々な分野で利用されていたことが紹介されています。中国では西洋の数学理論が次々と漢訳されていたことを知り、驚いています。日本よりも先に西洋の先進的文物を移入しながら、中国はなぜ衰滅し、西洋の植民地になったのかという新たな疑問が出てきます。日本は江戸時代から殖産興業という実用の用を満たすために西洋の先進理論を摂取するとともに、国力増強や新しい産業の開拓にそれらの理論を応用してきましたが、この応用力の差が、その後の日中の差となったのかもしれません。 しかし日本人が直接西洋の科学を学び、日本に紹介したという事実は紹介されていません。この点については、以前にも紹介しました、「江戸の科学者列伝 孤高のニュートン学者志筑忠雄(1)、孤高のニュートン学者志筑忠雄(2)」をご覧ください。この内容からすると、物理の専門知識や古典の知識のみならず、古今東西の科学史や東洋思想にも通じた専門家が書かれたものではないかと思われますが、著者は新戸雅章氏。 この「江戸の科学者列伝」は、2008-5公開予定の4回目の予告がなされているにもかかわらず、途中3回で途絶しています。サイト運営社のGakkenにも問い合わせましたが、執筆は続いているとのこと。データ差替え時に、過去のデータと入れ替わったとのことでした。弊社のパソコン側の問題としては過去のキャッシュが邪魔しているらしいのですが、皆様のパソコンでは、最新データの目次の全体が表示されていますか?(11/14) 新戸雅章氏のブログも見つけましたが、テスラ研究家だという。テスラ研究というだけでも、関心の特異さが想像されますが、ブログはいくら検索してもご自身の新著『知られざる天才ニコラ・テスラ:エジソンが恐れた発明家』(平凡社新書)をご自身で紹介された2015-2-5以降の更新はありません。この著者は亡くなられた(殺された)のではないかと心配しています。 リンクが消される可能性もありますので、URLも記載しておきます。 第1回2007-11-30孤高のニュートン学者志筑忠雄(1) http://otonanokagaku.net/issue/edo/vol1/index.html 第2回2007-12-26孤高のニュートン学者志筑忠雄(2) http://otonanokagaku.net/issue/edo/vol1/index04.html (1)+(2)http://otonanokagaku.net/issue/edo/vol1/index07.html 第3回2008-3-10日本近代科学の父川村幸民(1) http://www.otonanokagaku.net/issue/edo/vol3/index.html 新たに追加します。回数不明。(11/15) 2008-6-26 江戸の数学を世界レベルにした天才数学者関孝和 和算の開祖 http://www.otonanokagaku.net/issue/edo/vol3/index.html 2008-12-26 科学技術社会を先取りした江戸の自由人平賀源内 http://www.otonanokagaku.net/issue/edo/vol4/index.html 日本が中国経由で西洋の科学を学んだという説を開陳するのは許されるが、日本が直接西洋から学んだという事実は隠蔽しようとする動きが、一部専門家の間にも広がりつつあるのではないかという疑念に襲われています。日本が直接西洋の科学を学んだという事実が広く知れ渡ると、日本の文化は韓国が作ったという韓流捏造説の割り込む余地はゼロになるからです。朝鮮には漢訳で西洋科学のごく一部に触れた人物はいたようですが、西洋の書物を直接読んだ人物は皆無。ましてや洋書を翻訳した学者は皆無です。 朝鮮通信使は、当時の日本文化に多大な影響を与えたと讃仰者たちは喧伝していますが、朝鮮通信使は江戸時代270年の間に12回、将軍の代替わりに派遣されてきた慶賀使たちでした。この間、彼らが日本に何をもたらしたのか、具体的な文物は何一つ示されたことはありません。日本の知識人たちと交流したと言われていますが、名刺交換代わりに漢詩のやりとりぐらいはあったでしょうが、それ以上のものは皆無です。 当時の日本文化、日本社会に影響を与えるようなものは何一つ朝鮮通信使からはもたらされていません。それを証明する物は何一つありません。 オランダを介して日本にもたらされた当時の先進科学、技術がもたらした影響の大きさと比較するならば、朝鮮通信使のプラスの影響はほとんどゼロかマイナスであったといっても過言ではありません。朝鮮通信使たちは、接待に使った什器類や布団まで無断で持ち出して(盗み出して)さえいます。京大所蔵の通信使を描いた絵には、民家の庭から鶏を盗み出す通信使の姿まで描かれています。 将軍の代替わりごとに、波濤を越えて、命の危険を冒してまで朝鮮王朝が律儀に通信使を派遣しつづけてきたことで、幕府は日本の優位さに満足したでしょうが、それ以上の意味はなかったというべきでしょう。しかも朝鮮通信使たちは、将軍に慶賀の意を伝えるだけではなく、江戸幕府開祖の家康を祀っている日光東照宮にまで参詣することを幕府から要請され、東照宮にまでお参りしています。朝鮮王朝が幕府と対等であれば、ここまで要請されるはずもなければ、受け入れるはずもありません。幕府は一度たりとも日本国からは朝鮮には使節を派遣していません。来訪したのは、朝鮮からの通信使のみです。 西日本新聞には世界記憶遺産登録記事中で、当時は通信使の来訪で江戸時代すでに韓流ブームが起こったとまで書いていましたが、それを証明するものは何一つ残されていません。江戸時代の日本に朝鮮王朝からいったい何がもたらされたというのでしょうか。当時の朝鮮に、日本人が感嘆するような何があったというのでしょうか。当時の日本にはすでに、あらゆる分野で応用されていた先進的な科学技術、世界に誇るべき様々な文芸作品、絵画、各地ごとに特色のある多種多彩な工芸品が存在し、先端的な学術や芸術作品を広く庶民までもが学び、摂取し、楽しむことを可能にした出版業の隆盛、農村の女性までもが数々の文芸作品を残すほどに世界一の識字率を誇っていた日本、庶民が演劇などの興業を楽しむことが可能であった豊かさ、自由さ、日本全国辻浦々で定期的に神仏に祈る様々な祭りが行われた信仰心の篤さと庶民が祭りを行うことができた自由と経済的なゆとりもありました。また、貨幣経済が発達し、高度な商取引制度も確立していました。どれをとっても当時の朝鮮半島(朝鮮王朝時代)には存在しないものばかりです。当時、朝鮮半島では文盲率は99%以上にも達していまた。1910年の日韓併合(植民地化)以降、朝鮮半島におけるこれらの悲惨な状態は劇的に変化しました。 にもかかわらず、朝鮮通信使を讃仰することは、当時の朝鮮は日本よりも先進国であったという捏造印象を世界に広め、世界最貧国であった朝鮮の近代化に多大な貢献をしてきた、日本統治下時代の日本の重大な役割を隠蔽するものでしかないということを、しかと認識すべきです。 朝鮮通信使はいったい日本に何をもたらし、何を教えたというのでしょうか。日本国民の意思を無視して、韓国人と手を携えて朝鮮通信使の世界記憶遺産登録に奔走した対馬の人々は、今なお、朝鮮通信使が日本に先進文化をもたらしたと無知蒙昧な喧伝をしながら、韓流捏造歴史の鼓吹役を務めていますが、そのかいあってか、対馬には韓国人がどっと押し寄せ、今や対馬はさながら韓国人の島のようになっているという。韓国人による対馬占領は、週刊誌でも度々報道されてきましたが、事態はさらに悪化し、対馬の中心地は、日本語の看板はなく、ハングル語だらけ。それもそのはず、対馬で韓国人が経営する店に韓国人観光客がやってくるからです。押し寄せる韓国人に対して日本人観光客が激減し、多くの家屋や店舗がタダ同然で韓国人に売られたのではないかと思われます。そしてついに、対馬が韓国化されつつある状態にまで至っているらしい。(産経ニュース2017.10.29
対馬で増える韓国人観光客、不動産買収も「有事の避難用か」 家も土地も…「もはや韓国領」) こういう状況下で、韓国との結びつきを強めようと江戸時代の歴史を誤認させるものでしかない朝鮮通信使の、記憶遺産登録に狂奔してきた対馬のNPO法人縁地連は正気だとは思えません。縁地連は、今後はさらに、対馬の韓国への属国化を加速させる魂胆なのでしょう。朝鮮通信使の世界記憶遺産登録は、対馬島民の韓国への精神的な隷属度をさらに高めるだけです。対馬の韓国への属国化とは、日本の韓国への属国化への一歩ともなりかねず、黙視するわけにはいきません。日本政府や与野党の政治家は、この状況を知っているのでしょうか。 「日本書紀」には、百済が筑紫を占領するために、正面から武力で攻め入るのではなく、今でいう入植策、百済人を次々と筑紫に送り込む企てをしていたことが発覚したことが書かれていますが、現在、対馬でその作戦が成功裏に進行中です。日本以外でも、アメリカなどでも部分的にこの作戦が成功し、職を失った白人貧困層への対策がなされぬまま、慰安婦像に跪く与野党議員が続々と誕生し、韓国人の影響力が高まりつつあります。移民策は、昔も今も「平和的」に他国を乗っ取る、もっとも簡単な方法であることには変わりはありません。 参照:葦の葉通信1号・歴史の纂奪 ―百済から通信史 3 盗み続けて20年、韓国ボスコ ところで先日、新日鉄(新日鉄住金)が韓国最大手の鉄鋼メーカーボスコに、無断で技術を提供した元社員に対して、10億円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したという。ボスコへの技術漏洩はすでによく知られていましたが、今回のニュースで初めて、その技術漏洩の実態を具体的に知って驚愕しています。珍しくも西日本新聞に出ていた韓国マイナス記事ですが、なんと、この技術漏洩は1980年代半ばから20年もの長きにわたって続いていた上に、関与した元社員は10人+1人という多数に上っているという。驚愕せずにはおられませんが、ボスコは賠償金300億円を支払い、元社員10人も金額は不明ながら賠償金を払い、新日鉄とは今年の3月までに和解したそうですが、もう一人技術漏洩に関与した元社員がいたことが判明して、今回の提訴に至ったという。 20年もの長きにわたって、技術漏洩が発覚せずに続いたことにまず驚愕しますが、ボスコは100%以上の新日鉄の技術支援と日本政府の全面的な資金支援で誕生した鉄鋼メーカーです。工場建設も日本の建設会社によるものですが、新日鉄は当時自社でも大分の新工場にしかなかった最新鋭の製造設備を惜しげもなく提供した上、技術者ゼロの韓国人を日本に呼び寄せ、技術者養成にまで尽力しました。 当時、韓国は、独立はしたものの世界最貧国の状況にありました。この状況を打破すべく、朴大統領(父)は製鉄所建設を思い立ち、欧米諸国に支援を要請したもののどこも支援の手を差し伸べてくれませんでした。世銀ですら支援を断りました。そんな中で、唯一手を差し伸べたのが日本ですが、日本のその手厚い支援は、製鉄所建設以外にも及ぶという並外れたもので、漢江の奇跡と呼ばれるほどの、韓国経済の飛躍的な成長に100%以上の貢献をしています。もしも世銀の支援を受けていたならば、韓国は世銀に利子を付けて債務返済しなければなりませんでしたが、日本の支援は返済無用の丸抱えの支援です。 こういう経緯からするならば、韓国政府や韓国民は日本に対して心から感謝して、深く恩義を感じるはずです。日本人ならずとも、世界中誰もが同じような気持ちを抱くはずです。新日鉄も当然のことながら、そう考えていたはずです。新日鉄は、ボスコの製品の高品質化を知っても、新日鉄に対しては深く恩義を感じているはずのボスコが、自社の技術を盗み出しているとは夢にも考えていなかったはずです。加えて、日本のマスコミが事実に反したイメージ操作によって、韓国人の優秀さ、韓国企業の優秀さを競うようにして報道しはじめ、現在まで続いている環境下では、韓国人が自力で研究開発をしたのだろうと考えたいたとも推測されます。しかし20年経って、やっと盗みの事実に気がついたというわけです。 韓国企業、韓国人による技術の詐取に対しては徹底的に戦うべきです。彼らの盗みは工業製品のみならず、農業分野にまで及んでいます。これも最近発覚したことですが、韓国は日本のいちご栽培の技術を盗み出し、高品質のイチゴを韓国ブランドと偽り、海外への輸出を増大させているという。これは農水省がプレスリリースしたニュースであるにもかかわらず、西日本新聞では全く報道されていませんでしたが、ネットで発見しました。 驚いたことには親韓の毎日新聞WEB版(2017年8月26日)に出ていました。イチゴ 品種流出で推定損失220億円 韓国で無断栽培 末永恵氏のレポート(2017.8.25)、日本から美味しいイチゴを盗んで恥じない韓国 には、イチゴの盗みのみならず、韓国に建てられている百済関係の建造物は、建物はもとより、関連資料が韓国には全く存在しない中で、日本と中国の資料や建物を参考にして建てられたものであることも紹介されています。それが堂々と世界文化遺産!!!に認められたということです。
韓国は最近、日本に対して、あるいは福岡だけなのかもしれませんが、伝統文化の制作をめぐる交流を推進することを提案してきており、その交流事業が始まる気配です。農業分野での交流では多数の農産品の栽培技術がタダで韓国に移転されましたが、高級イチゴの栽培技術も日本人の善意に付け入って盗んだ物と思われます。盗んでしまえばこちらの物というのは韓国人の一般常識、特許付きの日本産イチゴを、堂々と韓国産の高級イチゴとして海外に輸出、それが伝統工芸品にまで及ぶ可能性が出てきたということです。韓国人の盗癖はイチゴから領土まで、ジャンル、大小を問わず、常習的に発揮されています。 日本政府は韓国へのあらゆる分野での技術流出に注意するように警告を発すべきです。そして技術流出を招くような交流事業は即座に中止すべきですが、東芝の半導体売却に見られるように、東芝の技術を盗んで、半導体の売上げを増大させている韓国SKとの事実上の提携に公金を投入させることを決定しています。東芝が民間の資金だけで事を進めるのであれば、どうぞとご自由にと思いますが、なぜ公金投入という方針が出てくるのか、日本国民としては全く理解不能です。東芝は、アメリカでのシェール石油の掘削、販売でも韓国SKと提携していますので、東芝は技術を盗まれても盗まれても、半導体以外でも、もはや韓国SKとは手を切ることができない関係にあるのかもしれません。 そもそも東芝の半導体の目玉商品であるDRAMはアメリカのインテルが開発したものですが、その後日本メーカーの追い上げにあい、敗北。しかしインテルはDRAMには固執せずに、新分野マイクロプロセッサーを開発し、世界のパソコンを占拠するに至りました。日本メーカーにインテルの真似をせよというのは難しいかもしれませんが、東芝の半導体という個別メーカー問題で、日本政府までもが乗り出すのは、いかにも後進国っぽい感じがしませんか。なおインテルのプロセッサーは日本人が開発したとのこと、東大教授の伊東乾氏がJBPressで紹介していました。 しかし韓国にとっても、日本から技術を盗むことが常態化している状況はマイナスでしかないはずです。目下の韓国は、日本の支援や盗みで基礎を築いた分野以外の新分野では非常に影が薄い。日本企業もこれまでのように、やすやすとタダで技術を提供してくれるはずもなく、日本政府にとっても、かつてのように自国企業に対して韓国にタダで技術を提供してくれとはいえる状況ではありません。韓国人は自力で新分野を開拓せざるをえないはずですが、完成技術の盗みも含めて、日本頼りの体制を続けてきた結果、韓国には、自力で研究開発をなしうるような基礎的な力の蓄積が皆無に近い。しかも自動運転やAIを駆使した新分野は、旧来型の部品を組み立てるだけで製品が完成するというものではなく、状況に応じた専門的な知識の駆動力は不可避となっていますが、韓国人にはそうした対応力、応用力は非常に乏しい。ここが中国人との決定的な違いですが、今に至るも韓国では、人工衛星の打ち上げはもとより、自前の人工衛星の制作すらできずにいるのもそのためです。韓国が人工衛星をもっているのであれば、それは海外メーカーに製造してもらったものです。日本では中小企業はもとより、大学生ですら、人工衛星を制作し、運用しています。韓国人はこの現実を直視すべきです。 韓国は宇宙技術を獲得するために、ロシアと提携していましたが、2,3年前にこの提携は解消されています。ロシアにとっては韓国と組んでも、もともと持っていないので先進技術が提供されるわけでもなければ、技術開発のための資金が豊富に提供されるわけでもなく、メリットはゼロ。韓国にとっても、ロシアの伝統ある宇宙技術が、手取り足取り、懇切丁寧に指導されて韓国に移転される事にはならないことも分かり、解消に至ったものと思われます。 北朝鮮のミサイル技術がロシアから提供されたとの疑惑が報道された時、プーチン大統領は、ウクライナの技術者が常駐して教えているはずだという趣旨の発言をしていましたが、中国もウクライナの技術者から宇宙技術を学んだので根拠のある指摘だと思われます。加えて、韓国人との宇宙開発事業をした経験から、朝鮮族は、理論だけでは自力で宇宙開発をする能力の乏しいことを認識していたのではないかと推測しています。外部の専門家が常駐して指導せずには不可能であるというのは、おそらく事実ではないかと思います。 これはあらゆる分野に当てはまることを、日本人はしかと認識すべきです。韓国は日本をさんざん貶めながら、恥知らずにも、就職難の韓国の学生を採用するように日本企業のみならず、日本政府や自治体にまで働きかけています。非常に優秀な韓国人学生を採用しようというキャンペーンがなされている福岡県下の様子からすると、人手不足もあり、韓国人の採用が増えそうで、心配です。 11/14追記 昨日、斉藤農水大臣(初めて目にした名前)が有明海を視察し、諫早湾干拓事業の潮受け堤防開門問題をめぐり、あらためて「開門せず」との方針を示したとの報道があり、追記します。先日、諫早干拓農地の一部が泥濘化し、ドロドロで農地として使えない常態になっていることが報道されたばかりです。この事態を受け、農水省は数億円を投入して、整備する方針らしいですが、場所柄、同じ事が今後も起こることは不可避です。その都度、国は税金を投入して泥濘化した農地に土を運び込み、整備する方針なのでしょうか。これほどの税金の無駄遣いがあるでしょうか。こんな公共事業を繰り返すばかりでは、国の借金は増える一方ではありませんか。 その一方、漁業者は埋め立て被害により漁場を奪われています。安倍政権は基金による問題解決を目指すとしていますが、漁場を奪ったままでは問題の解決は不可能です。干拓整備したはずの農地が、泥濘化したことからも、諫早湾干拓地は農地としては不適であることが証明されたのは明々白々ではありませんか。歴代自民党政権が推し進めてきた干拓事業の正当性を主張するために、漁業被害を無視したまま、農業者のために延々と税金を投入して、ドロドロ農地に大量の土を運び込むという無意味な作業を繰り返そうというのでしょうか。まるでシジフォスの神話、正気の沙汰とは思えません。農地を解消し、有明海を漁業者に返すことこそが最善の策ではありませんか。しかし斉藤農相は都合が悪いからなのか、この干拓農地の泥濘化については全く言及していません。農相を辞めろと言いたい。 空港建設時の漁業者と交わした取り決めを無視し、有明海に面した佐賀空港を自衛隊にも使わせようとしている安倍政権の隠された意図は、有明海から漁業者を追放し、有明海を軍事演習場にすることではないのでしょうか。艦船の航行も着岸も不可能な、干潟が広がる有明海での軍事演習で何を狙っているのでしょうか。野党が情けないとはいえ、国民を甘く見るべきではありません。国会では、「モリカケ」問答は止めて、この諫早湾干拓地の開門問題や佐賀空港の自衛隊使用の是非についても論議していただきたい。 わたしは干拓地以外の物も含めて、長崎県産の農産物は一切買わないことにしています。長崎県民は干拓地推進知事ばかりを選んでいます。 『貨幣の謎とパラドックスー柄谷行人論・原理論編』出版 2017/12/1 |
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